沖縄蝶類幼生期図鑑・コノハチョウ

 このコーナーでは本種の幼生期を紹介しています。野外で観察した生態写真が中心ですが、種を確認するためや変異を見るために一部飼育羽化写真もあります。写真は特記がない限り、新田智撮影です。
※本種は沖縄県の天然記念物ですので、写真撮影の場所は、島嶼名のみを表記してます。

食草》
 オキナワスズムシソウ、オギノツメ、シソモドキ、セイタカスズムシソウ、ミヤジマソウ

《産卵〜卵》
 産卵場所は日中でもあまり日が入らない薄暗い環境でセイタカスズムシソウが群生している。今回の観察では、産卵は写真のように直接食草に産みつけるのではなく、他の樹木などに産んでいた。
産卵 沖縄島 2009年5月30日 同左卵 産卵 沖縄島 2009年5月30日 同左卵
《幼虫》
 確認できた食草は、セイタカスズムシソウ。なお、多くの追跡幼虫を確認する中で、終齢になると写真のようにくの字に折れ曲がり寄生か病気のような死んでる個体も多く確認している。野外では順調に育ち無事に羽化にいたる個体は少ないのかもしれない。7月9日に、その正体を知りたくて死骸を持ち帰ると当日にウジがでてきた。6月11日の個体は老熟幼虫で6月12日に前蛹になった。ようやく見つけた前蛹で、蛹化シーン撮影を楽しみにしていた。14日には蛹化失敗でウジが居た。写真を後によく確認すると前蛹の口元を見ると繭玉が付いていた。ウジを持ち帰り6月23日にハエが羽化した(セイタカスズムシソウ付近の枯れ枝、口元に卵(寄生?)のようなものが不着している、6/11追跡→6/14ウジ4個脱出→6/15繭4個→6/23ハエ4匹羽化)。
3齢(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年5月6日 3齢(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年5月6日 4齢(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年5月6日 4齢(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年6月3日
終齢(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年6月9日 終齢頭部(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年6月9日 終齢死骸(ハエが来ている。セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年6月10日 終齢死骸(ハエが来て、尾端には卵がビッチリ。セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年6月11日
   
終齢死骸(セイタカスズムシソウ)沖縄島 2013年7月9日 同左終齢死骸から脱出したウジ 2013年7月9日    
老熟幼虫(繭玉を口にくわえた)沖縄島 2013年6月11日 同左前蛹(繭玉を口にくわえた)沖縄島 2013年6月12日 同左蛹化失敗(ウジが脱出)沖縄島 2013年6月14日 同左ウジからハエ羽化 2013年6月23日
《蛹〜羽化》
 2014年6月14日に食草のセイタカスズムシソウに台座した蛹を発見、追跡した。6月24日に♂羽化シーンを無事撮影できた(写真は全て同じ個体)。写真の他に6月22日セイタカスズムシソウ付近、コヤブミョウガに下垂した蛹も追跡しており、6月26日に♂羽化シーンを撮影している。羽化シーンを色んな種類で撮影しているが、胴体が抜けるまではかなり時間がかかっているような気がする。
蛹 沖縄島 2013年6月14日 蛹 沖縄島 2013年6月22日 蛹(側面)沖縄島 2013年6月23日 蛹(腹面)沖縄島 2013年6月23日
▲蛹(側面、羽化当日)沖縄島 2013年6月23日8時49分 ▲蛹(腹面、羽化当日)沖縄島 2013年6月23日8時51分 ▲♂羽化(開始)沖縄島 2013年6月23日9時15分 ▲♂羽化 沖縄島 2013年6月23日9時16分
▲♂羽化 沖縄島 2013年6月23日9時17分 ▲♂羽化(胴体が抜ける)沖縄島 2013年6月23日9時17分 ▲♂羽化 沖縄島 2013年6月23日9時19分 ▲♂羽化 沖縄島 2013年6月23日9時31分